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宇宙の隕石を食べさせるモンテネグロ人に、ヒッチハイクで出会った

「アルバニア」から北上し「モンテネグロ」へ。

アルバニア国境の町「シュコダル」~モンテネグロ首都「ポドゴリッツァ」まで約40KMほど。
東ヨーロッパの国境越えは、インドの州を跨ぐ様な近距離と気軽さ。

アルバニア国境サイドまで、ホームステイ先のフランス人おばさんが車で見送ってくれた。
出入国審査も軽くすみ、パスポートには日付も間違ってスタンプされるいい加減な国。(ルーマニアも同様)
「モンテネグロ」国境でヒッチハイク親指プレイ。
今日の目標は、40km先の首都「ポドゴリッツァ」。
1時間で着く距離じゃん、まぁ~余裕っしょ。。。てなわけで昼12時スタート。


1台目:英語がほとんど通じないが眼が優しい青年、ツナギの服装からして車修理工。
緑豊かな山間を走り20分ほどして、なぜか彼の自宅へ寄り道。
ザクロやミカン、キュウイが実る素敵なお庭から、アドリア海が望めるという素晴らしいお宅。
バクラワ(スイーツ:シロップ漬けパイ)を戴きながら、なぜか彼の結婚式の映像DVDを鑑賞。
自慢の奥さんの花嫁衣裳姿映像を見せられ、「バル」という街の近く、読み通り車修理工場で降ろされる。
ヒッチハイクおやつ付きの自宅訪問スタイル、幸先すっごいフレンドリーじゃんモンテネグロ人。


2台目:スズキ軽自動車、運転席と助手席、モンテネグロ人男性2名。英語通じた。
黒帯の空手家で親日家だった。
狭い軽自動車に、デカイバックパック2個と我が家2名でパンパンだったが乗せてくれて「バル」港街まで。
この辺りでは、車に乗るたび(街ですれ違っても)
「キーナ?(中国人)」「ヤパニ?(日本人)」と質問される事がほとんど。(無条件に中国人扱いも食らうが)
「日本人」と答えると「グット」と言われる。
「中国人」と答えたことが無いのでなんて言われるのか試してみたい。
機会があれば「北朝鮮」とも答えてみたいが勇気がない。


3台目:セダンのセルビア人。ついこないだまで「セルビア モンテネグロ」だった国なので、セルビア人、モンテネグロ人、アルバニア人いろいろいる。
アルバニアから離れれば離れるほど、人や景色が現代化していく。人から距離と速さを感じる。
なぜ「ポドゴリッツァ」へ行くのだと、大半の人に聞かれる。どうしようもなく何もない場所だからだそうだ。
「ポドゴリッツァ」行きのバス停で降ろされる。
雲行きが怪しくなってきた。雨が降りそうな灰色の空。
「ポドゴリッツァ」へ行く気がしなくなったので、そのままアドリア海沿岸部の道を、今日は行ける所まで、行こうと言う事で、バス停から離れて親指プレイ。


4台目:バリバリゴォゴォ音を立てて走るロシアンジープ。
何も行き先など告げてもないのに、「まぁ乗れよ!」と、ミスターモンテネグロ。

午後3時過ぎ。

クリアーサングラスをした白髪混じりのロン毛を後ろで一つで結んでいる男、推定45歳。
アーミーカラーのロシアンジープの中は、山道具やらスノーボード用品やら何やらでギュウギュウ。
彼の持つ眼と取り巻く空気感が独自で、面白そうな人。
どこの国籍?何者?
只者では無いなぁ、この雰囲気。
言葉要らずな人(実際、ほとんど英語通じず)

「俺の人生は面白いぞ、おまえらの人生はどんななんだ?」と無言で解いてくる様だ。

行き先など告げてもいないのに、ギュウギュウの山道具をどかしてくれて「まぁ乗れよ」と。
器でかすぎだろ?ミスターモンテネグロ!この男は一体何者なんだ?


後から彼に聞いた話だが、彼は「バル」港町から一服しながら車を走らせてすぐに、通りの片隅にデカイ荷物背負ったアジア人2名を見て、デジャブが起きたらしく、急ブレーキを踏んだそうだ。
彼は彼でストーリーがあった様だ。
「クロスロードだ」と言っていた。

我が家が車に乗り込んですぐ土砂降りの雨。
雨に打たれずに済んで助かった。だが、ロシアンジープは雨漏り。。。ワイパーは途中で取れた。


「俺の仕事は、オフロード」
「街の車はコンピューターだろ?山に行くにはアドベンチャーな車だろ?」
「車の中では音楽はいらない。
ゴォゴォ唸るエンジン音やギアの音階、ワイパーの軋む音、
これが俺にとっての音楽なんだよ」

ん~いちいち片言の英語で放つ内容が濃過ぎる。
この人の人生見てみたい。

そんな中、今日の目的地「ポドゴリッツァ」に着いたのだが、外は大雨。。。

「俺は、ドゥルミトル国立公園の山へ行く途中だ。世界第2の長さのグランドキャニオンの地だ。
そこに俺の家がある。今夜はそこで寝ればいい。どうする降りるか?行くか?」

モンテネグロ初日にいきなり、ハイライト国立公園行きの車をヒッチハイクした様だ。
この国立公園、実は行きたかったのだが、若干諦めていた場所。
どんな環境の家か、どんな寝床かわからないけど、山装備ならカイラス巡礼の時と同じフル装備があるし、米もパスタもスープストックもバーナーもガソリンもバックパックに入っているので、1泊2泊なら何とでもなる。

という事で、ミスターモンテネグロの家へ。


電気も水も無い「小屋」に着いた。
ん~やはり山男。雨漏りする車に乗っているだけの事はある。
今夜は手強いが、想定内だなこの展開。

小屋の中でビール飲む5名の山男達と何やら話しをしたが(モンテネグロ語だし、英語通じず内容不明)
その小屋を出て、また車に乗り込み山奥へとひた走る。
「今の小屋は、俺の仕事のベースキャンプ地だよ」
どうやら、カヤックやパラグライダー、スキーなどのアドベンチャーツアー会社の社長らしい。
「この渓谷に見えるホテルは、来年オープン予定だ。客室200あるからいつでも来いよ」
どうやら、ホテルのオーナーらしい。

あれ?そっち?今夜の着地はどんな所よ?この展開。
英語が通じないし、いちいち質問するにも無駄な気がして不明で受身なまま、
真っ暗な山道を直走り、明かりがチラつく町に着いた。

ヒノキ生茂る深緑色の濃い森、広がる丘には可愛らしい山小屋が点在している素晴らしい景色。
その隙間に広葉樹が赤色や黄色、山吹色など紅葉していて、なんとも現実味の無いほどのヨーロッパの秋を演出している大自然。
観光避暑地&スキーリゾートのメインストリート、ド真ん中にあるスノーボーダー古民家ロッジだった。

「俺は、広告や看板は出さない。ここは時間をトリップしてもらうための山好きが集うBAR&CLUBだよ」

この展開。想定外の大当たり!夢の様な山小屋だよ。住みたいよ。
暖かい暖炉、モンテネグロ産ワインで乾杯し、山で採れた野菜と新鮮なチーズのディナーをご馳走になり、優雅な時と素晴らしい出会いのモンテネグロ初夜。

ヒッチハイクで出会ったとは思えない信頼感。
そして、首から提げている石を見せてくれ、「これは宇宙からモンゴルへ来た石だよ」
と片言の英語とジェスチャーで言って、大切そうな袋から砂をくれた。
「食べろ」と。
ジャリジャリしたけど、砂の味がしなかった。
「もう君達は、地球一周の旅じゃなく、宇宙への旅だよ」
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by laidbacktrip | 2010-10-21 07:26 | モンテネグロ | Comments(4)