「南部パタゴニア後編。世界の果てまで親指連れで。」

冬に向かっているこの時期は、南緯を上げるにつれ、朝焼けが遅くなっていく(8~9時頃)、日中も太陽は高くならないので、常に斜陽で影が長く、遠くに広がる大自然の山々は、稜線を境に光と影がクッキリと現れていて色濃く、さらに美しさが増す。雪山好きには何とも堪らないシェイプだよ。(写真は、チリ国境手前、不毛の大地)
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「プエルト ナタレス」チリから「マゼラン海峡」を渡り、アルゼンチン国境へ。
世界最南端の島「フエゴ島」へ向かう。
けして多くない車を何台も乗り継ぐヒッチハイク。このエリアは石油関係のタンク車が多く、不毛の大地には工場が建ち、曇り空で空は低く灰色、なんとも殺伐とした景色。太平洋と大西洋を繋ぐ「マゼラン海峡」を渡るフェリーは殆どがトラックだった。我が家みたいな徒歩の人は無料。
フェリーの窓から夕焼けのマゼラン海峡を眺めていたら、シャチが泳いでいた!白と黒とハッキリとした背ビレが、水の抵抗を一切なくした完璧なシェイプで泳いでいた!
野性の生き物、たおやかで優美だな~。
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シャチとの出会いで素晴らしい幕開けの「フエゴ島」の旅スタート!
このままの流れでイッキにアルゼンチンへ抜けたいところだったが、夕暮れ時に国境超えするアルゼンチントラックをヒッチするのは皆無だった。マゼラン海峡から30km進んだ地点で、長い夕焼けも終え、気がつけば辺りはすっかり暗くなっていた。さて、今日の寝床はどうしようか?もう、マイナス凍結野宿はゴメンだよ。
メインロードR3から5km外れたところに、「セロ ソンブレロ」という町がある。そこまで歩くか?ヒッチか?どちらにしても今から宿探し。。。暗いよ。明日のヒッチハイクのためにも、あまりR3から外れたくないなぁ。。。
目の前を一台の車が通る。オジサンが車の中から笑顔で手を振ってた。そして、荒野のR3沿いに、ポツンと一件だけ建つ家へと入っていった。
何となく、訪ねてみよう。
どこまでが敷地なのかわからない広さの庭(?)先、我が家が近づくと放し飼いの犬(チリは基本、放し飼い&保健所が殺さないので国中、野良犬だらけ)が吠える。その音で、先ほど手を振ってきたオジサンと青年が出てきた。「旅の者ですが。。。」と、片言のスペイン語でいろいろ話している内に、部屋を開けてくれる事になり、泊めてくれる事になった。
c0158636_457112.jpg急な異国の旅人が訪れても、一切怪訝な顔もせず、暖かく迎え入れてくれる。田舎社会にありがちな保守的で閉鎖的な雰囲気はパタゴニアでは全く感じられない。むしろ、田舎だからこそ、人口が少なく厳しい自然環境で生きる者同士の心意気。
そして、なんと!一泊泊めてもらえるだけでも、十分嬉しい話なのに、このご家族は「ガウチョ(カウボーイ)」だったのだ!日本で言えば、「サムライ」だよ。(笑。本当に嬉しいよぉ。
ベレー帽を被り、マントを翻し、革の太いベルトに短剣を指し、フサフサの毛皮のパンツを履き、馬に跨り何万頭もの羊を追う姿を、ド田舎をヒッチハイクした時に見かけた。なかなか接する機会など無かったが、ガウチョの暮らしを見てみたいなぁ~なんて思ったりもした、憧れのガウチョのお宅に宿泊できるなんて!これ以上何があるパタゴニア。

大牧場で牧畜業を営むガウチョの家は、大きなリビングとキッチンのある平屋で、薪ストーブが豪快に燃えていて暖かい。電気は来てないので、夜、電気をもっとも必要とする時間帯はジェネレーター、夜更けは太陽パネル電力と使い分けていた。すっかり暗くなった夜7時、お茶とおやつの時間。小麦粉を練って、蒸し、砂糖をまぶして食べるおやつ「チャパレレ(チリのガウチョ郷土料理」だった。ひな祭りの時に作る和菓子「おこしもの(東三河郷土料理」と同じ味だった。
夜10時頃に夕食だった。レンズ豆の羊肉煮込みだった。一見、高価な食事と感じるけど、野菜の育たない不毛の大地で牛や馬を追って生きる人々。何でも食う!猫でもウサギでもワナコでも、動いているものは取り合えず食う!らしい。
よく飲まれるマテ茶の葉は、ナンかの動物の皮(聞いたけど忘れた)に入れて保存されていた。
彼らが着ていたセーターは、100%羊毛の手編み、素敵な風合いの自然草木染。あの一度食べたら、またパタゴニアへ戻ってくると言われる「カラファテの実」の木を染料にしてるそうだ。なんとも贅沢な。
旅の思い出にと、彼らが愛用しているガウチョのシンボルでもある「ベレー帽」をプレゼントしてくれた!我が家は、お礼に「箸」をプレゼント。初めてとは思えないくらい、早速、箸でレンズ豆を食べていた。
1週間ぶりに、ベッドで寝た。よく眠った。掛け布団は、ワナコだった。
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そして、トラックを乗りづぎ、チリを出国、アルゼンチン入国。(写真右:車内でもマテ茶。このドライバーはバーナーでお湯を沸かしていた本格派。水筒派は良く見かける。ボンビージャ(ストローみたいなやつ)の元にお湯を注ぐ、受け渡されてもボンビージャは動かしてはいけない、何度も周ってくるが毎度「ありがとう」とは言わない、最後の回で「グラシアス」と言うのが、一連のマテ茶流儀だそうだ)
世界の果て「ウシュアイア」まで、後300km!
今日中に、着くでしょ~。笑

ちょうど今日から日本のGW同様、4連休に入ったので、車でご旅行なチリ人ご夫妻が乗せてくれた。100km地点の「リオ グランデ」と言うインダストリアルタウンで降りる。別れ際大量のサラミ、ハム、パンをプレゼントしてくれた。親切すぎる人たちばかりと出会うよ。
そして、残り200km!もうすぐだぁ~!

スペイン語教師のアルゼンチン女性一人が運転するセダン。女性一人で運転できる国は治安が良いし、経済力がある証拠。エクアドルなどは、男性一人で運転してても、いきなり信号待ちで強盗にあったりするらしいからね。都会と田舎の差もあるので、一概には言えないけどね。
す~っと地平線が続く、車窓は代わり映えのない退屈な不毛の地だったのに、木々が生え始め、道に起伏があり、山が見えてきた。
100km進んだところにある町「トルウィン」は、アルゼンチンでは珍しい木造ウッディロッジの家々が立ち並ぶ、とても可愛らしい小さな町。週末になると近郊から、可愛い町へ癒されに人々が小旅行にやってくる。そして、この小さな町には、アルゼンチンで最も有名な「パナデリア ラ ユニオン」があるのだ。
この町を通る者は、猫も杓子もみんな挙って訪れる、コレクティーボも休憩所として停まるパン屋さん。店内は、有名人著名人の写真がずら~っと飾られている。店の外の通りは、パン屋に来たお客のオコボレ便乗商売の土産&雑貨屋の屋台が並ぶ。ひっきりなしにお客が入れ替わり立ち代りやってくる、こんなパン屋見たこと無い。冗談で「ディエゴ マラドーラ」は来た事あるの?って聞いたら、真顔で「マラドーラは来てないけど、その前のアルゼンチンCUPの何とか(名前忘れた)は来たよ」って、普通に答えていたほど、角界の有名人が当たり前のように訪れているらしい。こうなってくると、ちょっと有名になった人なんかは、逆にこのパン屋に顔写真を飾られたい!みたいな上昇サイクルが出来上がってきているんじゃないかな。
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ここから「ウシュアイア」まで、残すところ100kmの町、このパン屋。
美味しいのよ。久しぶりにカフェでおやつな時間。パイもサックサクで、大衆的なのに上等なお味、ゆっくりと時が経ち。
すっかり、日が暮れた(笑。
実は、「このパン屋の店先で、次のヒッチハイクの車を探せば簡単だよ。」と言われ、さらに、「見つからなかったら我の実家(スペイン語教師の女性)へ、泊まりに来ても良いよ~♪」なんて、ヒッチハイクの車の中で、素敵な招待を受けていた。
どこまで親切なんだパタゴニア!
この可愛い町の名物ウッディロッジに宿泊なんて、とても嬉しいお誘い。お言葉に甘えて、「ウシュアイア」まで、後100kmの地点で一泊することに。パンは美味しいし、街並みは綺麗だし、日は暮れちゃったし、スタック決定(笑。c0158636_4594567.jpg
ご両親だけが住んでいる大きなウッディロッジハウス。リビングに、どどぉ~んとアサードの釜(?)暖炉がある、アルゼンチンらしいお宅。ヒッチハイクで乗せた旅人がいきなり訪問してきても、笑顔で迎え入れてくれる両親。この連休に「ブエノス アイレス」から遊びに来ているという従兄弟もいて、今夜はアルゼンチン料理の代表格「アサード」牛肉のBBQなディナーだそうだ。もちろん、アルゼンチンワインでサルー。
パタゴニアの人々、器でかいなぁ~。
パタゴニアは、心だよ。って言ってた。
外は吹きすさぶほど寒いのに、家の中は、半袖でも平気なくらい暖かい。暖房もフル活動ながら、キッチンのガス台の火も全開でつけっぱなし。。。アルゼンチン南部は、石油や天然ガスなどの地下資源が豊富なので、ガソリンやガス代が安い。ガスは2ヶ月で500円使いたい放題だそうだ。(物価は、ほとんど日本と変わらないよ)
チリ側のパタゴニアは、ダム建設反対運動など、自然に対して謙虚に暮らしているのを良く目にしたけど、アルゼンチンは広大な大地、エネルギー満タン!イケイケなのだ。
でも、どちらのパタゴニアも、心はとても温かいよ。
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そして、アメリカ大陸最南端の町「ウシュアイア」まで、残り100km。
遠くに見える雪山、冬に向かっている紅葉、それを移す湖。これまで2000km近くサバンナの様な大地が続く車窓だったのに、フエゴ島の南は、山々と湖、滝と潤った景色だよ。「フエゴ島」ってスペイン語で「火の島」って言う意味だけど、本当の姿は「水の島」だよね。
そんな土地らしく、林業を営むオジサンの車で、無事に「ウシュアイア」到着。この人の車で「ウシュアイア」に来て良かったと思わせる人だった。「ウシュアイア」の観光名所となっている国立公園では、ビーバーが見られる事で有名なんだけど、本当はパタゴニアオリジナルじゃないのよ。1942年にカナダが持ち込んだビーバーなんだけど、彼らは森林伐採をして生きる生き物なので、貴重な「ウシュアイア」の木々が減少してしまうのが、社会問題らしく、アルゼンチン政府は、「ビーバーを殺した者は、1匹につき4US$の報酬を与える!」って言うほど。(そう簡単には捕まえられないそうだ)
それほど、深い自然の山や森林に360度囲まれている、サムソンやソニーの工場が海に面した美しい工業港町が「アメリカ大陸最南端の町」でした。(写真:フロントガラスは、ヒビ割れているのが、パタゴニアスタイル)
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4月は天候が不安定と言われている時期。
一度も雨も降らずヒッチハイクで来れたのが助かったな~。
「ウシュアイア」到着の翌日に、雨&強風。素晴らしいタイミング。お天気神様ありがとう。

ココを目指す事、メキシコから10ヶ月。あっという間だけど、長かった。
ある意味、この長旅の終着地点。
よくがんばりました(笑。
c0158636_535319.jpgパタゴニアの旅、大自然や野生動物やトレッキングやヒッチハイクやらだったので、後は踊るだけだぁ~!と思っていたら、早速、ミロンガ(タンゴを踊る場所)へのお誘いが。
ラテンなセニョールやセニョリータが、手を取りリードしてくれて、人生初タンゴ@アルゼンチン。
自分達が、社交ダンスするなんて、思っても見なかったよ。
今更だけど、旅はしてみるもんだね。面白い。

どうも、いつもありがとうございます。
今日も、素敵な1日でありますように。

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by laidbacktrip | 2012-05-04 04:54 | アルゼンチン
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