「メキシコ料理とシャーマン・後編」

標高2000mほどあるキノコ村で迎えた朝、雨が多く標高も高いので寒い。
靴下にビーチサンダルを引っ掛けて、水溜りを避けながら歩いて、朝食探しのさんぽ。
小さなキノコ村は、メイン通りは100m未満程度の中に、カフェやローカル屋台、ネットカフェにお土産屋がポツポツ並んでいる。
気軽に宿から出てきたので手ぶら、カメラは持ってなかったので、写真は一枚も無い。

何となく、気になったローカル食堂で朝ごはん。
この店の入り口のドアには、「CERRADO(閉店」と書いてあったが、中から暖かい熱気とセニョーラかあちゃんの笑顔が見えて、ついつい店内に入ったら普通に営業していて、「ABIELTO(開店」じゃん!
このズッコけた脱力営業力に脱帽し、すんなり店内の椅子に落ち着いちゃって。

注文したのは、「チョコラテ コン レチェ」と、「かぼちゃの花とチーズのケサディーヤ」
ちょっと朝ごはんにしたら、ヘビーな組み合わせだけど、寒冷地仕様に仕上げるために、まあよしとしよう。
料理が来るまで、何気なく店内をキョリョキョロしてみていると、入り口のドアの「CERRADO」の上に、「TEMASCAL(テマスカル」と書かれているビラが、沢山ヴァージョンを変えて貼ってある。アステカ民族のカレンダーがデザインに使われていたり、儀式をしている写真など、いろんな形で、「キノコ村=TEMASCAL」と、視覚に攻めてくる。
「ナンだろう?テマスカルって?」なんて、暢気な会話、朝飯前の我が家。
石を積み上げたピザ釜の様な、鎌倉みたいなドームが書いてあり、なんとなくのスペイン語の解釈では、スチームサウナだと。
でも、民族の儀礼にも使われてそうだから、アメリカンインディアンのヴィジョンクエストが、メキシコで残っているんでは?と勘繰りすぎたりして。
「ソレを知らずして、キノコ村は去れんぞ!」と言う空気が漂う我が家の間に、チョコレートの匂いが漂って来たので、一時思考停止で朝ごはん。

すっかりセニョーラかあちゃんの味の虜になっているところへ、店先に一台のピンク色のスポーツカー。
ホイールも、メーターも、全部ピンク色に塗ってある。
やっぱり、山の方が変態率高いなぁ~なんて感心してたら、この車のわき腹に「TEMASCAL TEMASCAL TEMASCAL」と書いてある。
そして、運転手が降りてきた。
首には、ドデカイ琥珀を提げている。(チャパス州は琥珀で有名)
上はフリースで、下はスラックス。

もう、この流れは、この人に「TEMASTAL」ってナンですか?って聞くしかないよね?
店内は我が家のみだし、頭ん中は「ソレって何?」だったし。

で、片言のスペイン語で、「TEMASCALって何ですか?」って聞いてみたんだよ。

彼からの第一声目が、「私は、シャーマンです。」だよ。

朝飯からブットビました。何?この展開。久しぶりだよ、こういう展開ってニヤケが止まらない。

サポテコ民族とミステコ民族を融合させた豊作の儀式などを受け持っているセニョール・シャーマンは、「朝ご飯が終わったら、ボランティアで施術してあげるから、家へおいで。」と、誘ってくれた。

なんせ、ピンク色のスポーツカーで現れたから、芸術家並みにブットンデいるのか?胡散臭いのか?ボランティアって言ってたから、旅行者相手に偽り儀式する様でもなさそうだし。
行ってみよう。

山の中を歩く事、30分ほど。霧が立ち込めてきて雨が降りそうな鉛色の空。
ふと、遠くを見ると、ピンク色が見える。
家の壁まで、ピンク色だよ(笑
ファンキー・シャーマンに、改名させてもらうよ。

施術室は、儀式で使う様な大きな鳥の羽が付いた、如何にもインディアンが被りそうな飾りがあったり、太鼓がおいてある。
でも、服が散らかっていて、スーツケースが開きっぱなしで。。。何とも、落ち着いた感が無く、大丈夫かな。。。この展開。。。

緑色と水色のケミカルカラーの液体が入った瓶を持ってきて、「ナチュラルだよ」って何の草だかわからんものが入った液体を嗅ぎ、リラックスしましょう、と。

シャーマンは、マッサージ&カイロプラティックも織り交ぜている独自のスタイルらしく、まずは蜂蜜に浸かった甘いキノコを食べる。
そして最初、旦那が施術ベッド(と、いっても日常、シャーマンが寝てるベッド)に寝かされ、体をポキポキ鳴らされて、普通のカイロプラティックで終わった。
しかし、嫁の施術の時には、慣れた手つきで首や肩を触りながら、
嫁の体の中にある邪気を、シャーマンが手を通して吸引し、「おぇぇぇ~~!」と言って、口から吐き気の様に邪気を外へ逃がすと言う、シャーマニズム的治療が施された。
そして、鳩尾を押さえて腹の緊張と脈を読んで、「あなたは、心の反応が不安、恐怖、怯えているんじゃないかな?」と、セラピー的な要素まで入ってきた。
こんなリラックスした日々、この旅路の中でもトップ5にライクインする様な国を旅をして、どんなネガティブが鳩尾に反応しているんだろう?
ピンク色のスポーツカーが刺激的すぎて、警戒心が反応してるんだろうか?

そういえば、この1週間オアハカで毎日チーズ食べてたし、c0158636_1351585.jpg
バックパックに入れた700gのチーズが腐っちゃうんじゃないかと、昨夜も今朝もチーズ三昧だったしなぁ。。。
辛い料理もあるし、胃の消化が追いついてないかも?と、旦那がセニョール・シャーマンに伝えると、


食べすぎだね。


雨が激しく振ってきたので、傘が無い、どうしようかと軒下でボ~っとしてたら、シャーマンがスーツケースを持って、ピンク色スポーツカーの車に乗りなさいと言う。
おお~この車に乗れちゃうんだ~。
ボロッボロの車内、鍵の部分は壊れて飛び出ているし、トランクは空かないからスーツケースは車の天上に乗せただけで、大雨の中を走る。
彼の家に着いた。
奥さんと子供3人がいた。すっごくいい目をした子供達で、これはあのシャーマン本物だわ。

荷物を運ぶのを手伝う、けして大きくない一間だけの部屋に、ベッドとTVと机。家族5人。
どうやら、さっき施術を受けた家から、今日は引越しの日だったのだ。スーツケースには家族の服がパンパン、道理で部屋が散らかってたのか~。こんな引越しの忙しい時に、ボランティアで施術をしてくれるなんて、笑顔の口元が心の器の大きさを物語っている様に見える。
前の家は電気が無かったから、夜は真っ暗だし、TVも見れなかったけど、今夜からTVが見れるぞぉ!と嬉しそうだった。
お礼に、メキシコの歌の神「チェコチェ」のTシャツをプレゼントしたら、凄く喜び、早速着ていた。

なんだか、ピンク色の車が理解できた気がした。

c0158636_1314494.jpgそして、乗り合いバスを乗り継ぎ、太平洋側のビーチ「シポリテ」。
地球をぐるっと回って3年9ヶ月。c0158636_1259427.jpg
太平洋の向こう側には日本。という所までやってきました。
今まで、朝日の方角に日本をイメージしてたけど、ここは夕日に感じるのは、
あの真ん中に日本列島が書かれているメルカトール図法の影響かも。

ローシーズンの誰も歩いてない、朝の砂浜で、
名古屋某バンドのメンバー&ヨガ先生と、偶然バッタリ遭遇。
1ヶ月ぶりの日本人は、知り合いだった。笑

ここは、6年前の9月にも訪れた思い出のノンビリしたビーチ。思い出の宿。やっぱり好きだな~この静かな、オフシーズンの「シポリテ」
6年前と比べて、明らかに海面が上昇している。ビーチが狭くなり、満潮時にはカフェや宿まで波が届いている。メキシコ太平洋側には、地震インナープレートもあるからな~。
地球は、生きているなぁ~。

6年前の旅と、今の旅を繋げたら、世界一周完成。
巡ってきたなぁ~。c0158636_138158.jpg
いろいろあったなぁ~。
もう、この旅は、どこで終止符を打っても良いと思いながら、
テラスでヨガをし、その間に旦那がオアハカのオーガニックコーヒーを沸かし入れ、パンとマンゴとバナナを買ってくる。そのまま、太平洋が望めるテラスで、ゆっくりとした朝ごはんが始まる。
海風が気持ちよい。
ここは、そんなノンビリとしたビーチライフ。

c0158636_1365217.jpg

ここまで、健康に旅を続けられる事に感謝し、日本の家族や世界の仲間の幸福を祈り、

ここから目指すは、
南米パタゴニア!
中南米陸路縦断の旅、
はじまりはじまり~。

2011年9月。

以下の2ブログ。とうとう更新しました(笑 
さらにお時間許される方、よろしくどうぞ~
♪旦那の音ブログ。音楽で世界を旅する。「旅するDJの世界音楽至福のひととき」
ॐ嫁の蓮ジュエリー。穏やかな日々へ。「maitreya」
[PR]
by laidbacktrip | 2011-09-08 12:27 | メキシコ | Comments(1)
Commented by miriskyoto at 2011-09-11 17:20 x
それは「時空のサーファー」に出てくる本物のマヤ人ではないかぁっ〜!!!
<< メキシコ最終章。ヨガ&アートな... 「メキシコ料理とシャーマン。ほ... >>